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【超重要】ROIとROICの違いを徹底解説!!|5つの組み合わせから計算方法、目安も一緒に理解しよう

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企業分析の際によく使われる指標として「PER」や「PBR」などの割安性の判断ができる指標、はたまた企業の経営力や収益性を図ることが出来る「ROE」や「ROI」などの指標があります。

これらの指標は経営者や投資家に好まれて使われている指標でもありますが、この他に最近、企業が中期経営計画などの決算資料で重要視されてきているROI・ROICという2つの指標はご存じでしょうか?

おそらく「知らないな・・・」という方や「どういう風に使えばいいんだろう?」や「なんか似てるけど違いはあるの?」という疑問をお持ちの方がたくさんいらっしゃるでしょう。

ですからこの記事では、上記のような疑問をお持ちの方にROIとROICの使い方から違いまでを隅から隅まで丸裸にしてお伝えしていきたいと思います。

では早速みていきましょう。

ROI・ROICってどんな指標?

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企業は、このようなプロセスで売り上げを得ています。

①事業計画をする
   ↓
②実際に資産を投じる
   ↓

③売り上げを上げる

   
このプロセスの中でROI・ROICは②に着目した指標で、「特に企業がいかに効率の良い投資案件を選べているか?」、「そしていかに効率よく収益をあげられているか?」を図ることが出来る出来る指標になります。

つまり、企業の投資効率を図ることが出来る指標になります。

ROI・ROICの計算式

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ROIとROICの計算式は以下の通りです。

♦ROIの計算式
ROI(投資利益率)=利益÷投下資本×100

♣ROICの計算式
ROIC(投下資本利益率)=【営業利益×(1-実効税率)】÷(株主資本+有利子負債)

 

ものすごく難しい式ではないですが、やはりちょっとわかりにくい場所がありますね。
この部分に関しては次のセクションで説明していきますので、そのまま読み進めていきましょう。

 


  ROIの計算例

例えば、1億円を1つの投資案件に投資して、1000万円の利益を得た場合、
1000万円÷1億円×100=10%

となるので、この投資案件はROI(投資利益率)が10%ということになります。

一方で、5000万円を投資して、1000万円の利益が出た場合、
1000万円÷5000万円×100=20%

となり、最初の例よりもこちらの案件のほうが投資効率がいいことがわかります。



  ROICの計算例

ROIとは一風変わってこちらのほうはちょっとごちゃごちゃしてますね・・・
最初から説明してもわかりにくいと思うので、まずは式の説明からしていきます。
※そんなことぐらいわかるという方は飛ばして次に進んでください。

♧【営業利益×(1-実効税率)】÷(株主資本+有利子負債)


営業利益・・・企業が本業で稼いだ利益のことで、売上高から売上原価と販管費を差し引いたもの。

(1-実効税率)・・・1から実効税率30.62%(0.3062)を差し引いたもので、ROICでは利益だけでなく、そこに税率をかけ合わせた「税引き後営業利益」を使わなければならないためにこのような計算方法をする。

株主資本・・・決算書の「純資産の部」に記載される資本、いわゆる株主のお金のこと。

有利子負債・・・企業の利子付きの借金のこと。

 
箇条書きで少々雑かもしれませんが、こういうことです。
では次にROICの例の紹介していきます。

例えば、営業利益が1億円のA社は有利子負債が5000万円で株主資本が1000万円だった場合、●【1億円×(1-30.62%)】÷(1000万円+5000万円)=11.56%

となるので、A社のROICは1.156%ということになります。

一方で、営業利益が1億円のB社は有利子負債が3000万円で株主資本が500万円だった場合、●【1億円×(1-30.62%】÷(500万円+3000万円)=19.82%

になり、B社のROICは1.982%で最初のA社よりも投資効率が高いことがわかります。

このようにROI・ROICを通して数字を見ると、一見判断の難しかった企業間の利益率がわかりやすくなり、経営者、投資家としての判断がとてもしやすくなります。

 

 

  資金回収期間の計算と併用する

ここまではROIとROICの計算例について紹介してきましたが、この計算と一緒に資金回収期間の計算も併用すべきです。

というのも企業は、資金回収がおぼつかない投資をしてしまった場合や債務不履行に関わるような資金管理のミスをした場合は、倒産の可能性がでてきます。

つまり、企業は利益を出すこと以外にも投資資金を一定期間で回収することが避けられません。

そして、ROI・ROICもこれと同じような投資効率の算出に使われるので、一緒に使ったほうがいいことは目に見えているんです。

資金回収期間の計算式

◎投資資金÷年間予測収益高

資金回収期間はこのように計算します。


投資総額が1億円で年間予測収益が2000万円のときは、単純に5年になるのでこの投資ではだいたい5年で投資資金を回収できることがわかります。

 

Check!! 資金回収期間は基本早ければ早いほどいいのですが、一般的には1~3年ぐらいが目安とされています。

 

ROI・ROICの目安

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計算式を知っても、はかる目安を知らないことにはどうやっても始まらない。

このように考える方が多いのですが、実際は事業ごとによっても目指すべき数値は異なります。(ただし、一般的には10%と言われ、20%あると優良企業だと言われることが多いようです。)

例えば、飲食であればかかるコストに見合った数値が必要ですし、金融業であれば多くの資本金が必要になるので、必然的に数値は低くなります。

このように、一概に「これが正しい!!」なんて声高々に叫ぶこともできないROIとROICですが、これまでに様々な企業が掲げた目安の例があるので、そちらをご覧になって考えるのも良いかもしれません。

●  サイゼリアの例を紹介

有名な例ですが、サイゼリヤがあります。
サイゼリアは現在、大手ファミリーレストランとして名をはせる存在ですが、当時のサイゼリアは出店の条件としてROI20%を目標にしていたそうです。

ROI20%というと、約5年で投資資金を回収できる目安でもあるので、当時のサイゼリアは、積極的すぎずに安定した新規出店条件を設定していたことがわかります。

 

ROIとROICの違いとは?

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違いがあいまいですが、どちらも投下した資本に対してどれだけの利益を上げたのかを表す指標であることは変わりありません。しかし、違いもあります。

まず、両者の決定的な違いとして、「ザックリかキッチリか?」があります。
ザックリがROI、キッチリがROICです。

計算式からもわかりますが、ROIは利益と投下資本というあくまでざっくりとした利益率を表します。一方で、ROICはそこに実効税率と有利子負債、株主資本という企業の細部までを取り入れて数値として表しています。

つまり、ROIは企業の個別の投資案件を評価することに向いており、ROICは企業全体を精密に評価することに向いているという違いがあります。

 

Check!!

ROI=個別の投資案件の収益率をはかるための指標

ROIC=全体的な企業価値(時価総額)をはかるための指標


さらに、この2つの指標には経営者向きか投資家向きか?という違いもあります。

前述したように、ROIは個別の投資案件、つまり経営者が事業を行っていく上でどの事業の利益率が高くて、どの事業が非効率なのかを知ることができ今後、事業を運営していく上でどの事業を残し、どの事業を撤廃するのかという、いわゆる取捨選択が簡単になります。

一方で、ROICは企業の全体的な評価が借金や資本を考慮してできるので、投資家の企業分析の際にとても役立つ指標だと言えます。

Check!!

ROI=経営者向けの指標(もちろん個別の案件を分析するという点では、投資家にも役立ちます。)

ROIC=投資家向けの指標

 

このようにROIとROICは一見同じような指標に見えても、その違いはかなり大きいです。なので、ROIとROICを使うときは、上記のような違いをしっかりと見極めて使いつつ、分析していくことが必要とされています。

 

ROIとROICはこれと組み合わせればさらによし

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ここまでの説明から、ROIとROICはどちらにせよとても使える指標だということはお判りいただけたかと思います。

しかし、ROI・ROICは単体で使うよりも他の指標と一緒に使うことで、さらに分析の精度が上がります。

 

  ROI・ROICと一緒に使うべき5つの指標

  • PER・・・利益面から割安性を測る
  • PBR・・・資産面から割安性を測る
  • PSR・・・売上面から割安性を測る
  • ROE・・・企業の資本効率を測る
  • ROA・・・企業の資産効率を測る

 

というわけで、ROI・ROICを使う際には上記5つの指標とともに使うとなお良しです。

上記のPERとPSRは企業の利益の面から企業価値の割安性を測り、PBRは企業の解散価値から割安性を測ります。

一方で、ROEは企業の資本、つまり投資家のお金に対しての収益率の良さを測る指標で、ROAは企業の総資産に対しての収益率の良さを測る指標になります。

そして、ROIとROICは企業の投資効率の良さを測る指標です。

このように、ご説明した指標を組み合わせることで企業の「割安性・収益率・投資効率」が一気に測れるため、投資するにも経営するにもとても効率がいいですし、合わせることでよりシナジーを発揮します。

つまり、一緒に使うべきなのは言うまでもないということですね。

 

  これも一緒にどうぞ

上記の指標については以下2つの記事で紹介しています。見てくださればさらなる知識のアップデートにもつながりますので、時間があれば一緒にどうぞ。

PER・PBR・PSRについてはこちら

moneymanagement.hatenadiary.jp

 ROEROAについてはこちら

moneymanagement.hatenadiary.jp

 

 

この記事のまとめ

◎ROIは【ROI(投資利益率)=利益÷投下資本×100】で計算する。
◎ROICは【ROIC(投下資本利益率)=【営業利益×(1-実効税率)】÷(株主資本+有利子負債)】で計算する。
◎ROIは個別案件、ROICは企業価値の分析に使う。
◎ROIは経営者目線で、ROICは投資家目線で。
◎ROI・ROICは「PER・PBR・PSR・ROEROA」と組み合わせるべし。

 
では、今回はこの記事を読んでいただきありがとうございました。

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